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よろづ天道まかせで

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

自力自救

ハリエット・ウッズの「誰かに頼らずに堂々と立つことができる。犠牲者を生むことなしに勝者になりうる。」との下記、一文に触れ、 You can stand tall without standing on someone. You can be a victor without having victims. --Harriet Woods 二宮尊徳…

人元無名也

けっきょく誰もかれもみな同じ人間であることでは変わらん、か。 人元無名也、名附而何右衛門、何兵衛曰、去其二名唯人也*1 人もと名なきなり、名付けて而して何右衛門、何兵衛と曰ふ、その二名を去ればただ人なりということか。 *1:二宮尊徳、『未定稿』

重金資本主義

権藤成卿、『日本農制史談』の「重金資本主義」の項を読むと、○ 地方資金の中央吸収といい、○ 政府の公債発行から資本閥が確実に収得する事実といい、今日と変わらぬ、またいつの時代にも共通する核心を見る気がする。 明治大官によつて立てられた法律制度は…

風呂水の哲学

福岡県立花町の大内邸には風呂水の哲学の碑がある。尊徳の教えを実践する事例は各地に残っているが、戦前活躍した政治家、大内暢三も尊徳の教えに生きた人で、彼の住居が記念館として運営されている。

実は「じつ」、「まこと」。realである。植物の種を実とも言う。その意味がなるほどと分かる文章。三浦梅園『童蒙筌』に見つける。 罌粟(けし)芥子(からし)の子(み)は至(いたって)小(ちいさ)し。され共地に樹(うゆ)るに内にひとつの誠あつて奪ふ…

往道無不至遠益 聞道無不遠行益(尊徳) 「道を往くも遠きに至らざれば益なし 道を聞くも遠く行かざれば益無し」、か。なにごとも事業は長い道のり。

互譲互済

いつの時代も大事にしたいもの。 ・・・前条之通相互に譲り助合申候はゝ自然と本かたまり国安く罷成可申候兎角金銀財宝を貯て善事を貯へさるもの間々有之候得共願くは金銀財宝を施し善事を貯置申度候何となれは金銀財宝は驕奢弊風其外種々費も有之候得共善事…

喩於利

古語君子喩於義小人喩於利と宣へり(尊徳)。 古語に君子義において喩し、小人利に於いて喩すとのたまへり もはや君子などいないのだから、誰もが利において語る。そうして詐欺にあう人もでる。

財貨

凡産於地、益於民曰財。財莫大於衣食、其次器用薬物之類、外此無所用之也*1。 およそ土地で生産され民に益有るものを財貨という。財貨は衣食より重要なものはなく、その次は器物や薬物の類で、それ以外には所用になるものがない。 世界的に食糧生産国は干ば…

人よかれ

いかにぞして此心をひるがへして、人よかれ、さて我もよかれ、と一同におもはせばや、万の物も厚くならめ(只野真葛) この金融・経済危機のなか、私益ファーストのレミングたちは奈落に向かって行進している・・・連帯経済が見直されはするが。

駅亭

散歩を趣味とするようになって、距離というものに関心が出てきている。地産地消ということがいわれ、日本近世の三里四方という考えが見直されている。端から端まで歩いて六里、中心から行って帰っても六里。およそ一日で歩ける距離で、これが地域の基本の広…

本来

尊徳のことばで好きなもののひとつ。 本来人生時、一物非持参者又死時非持往者、裸来裸帰者也、然為我物不知不悟無人也 本来人の生まれる時は一物も持参しはしないし、死ぬ時は持ってゆくものではない、裸で生まれて裸で帰るもの、我が物にするは無を悟らな…

往来

考えてばかりでなくまず歩いてみること。すべてはまず往来することのなかにしかないと思う。尊徳、『万物発言集』にこうあった。 本来有道而後人不為往来、初発有人為往来而後名道者也 ほんらい道というものがあってひとは往来するのではない。はじめに人が…

血肉もつ人間の自然なる擁護

コミュニティという言葉がよく語られる。それは地域であり、その社会であろう。欧州でもこれに与する思考はあり、fédéralismeもそのひとつ。 連合主義、それ則ち具体的郷土であり、つまるところ我が連合の構成的要素、真の基礎たる地域である。・・・先に示…

行政式仕法と結社式仕法

残念ながら人はそのときそのとき、特定のステータスを得て役割を果たしている。そのステータスが納得のいかない人も多いだろうし、位を変え、上位に登らんと努力するのも人間というものか。自らの処遇されるを変えんとする意欲をもち、そのために動くことが…

無理解

権藤成卿は昭和6年、純眞社刊の『日本農制史談』で二宮尊徳についてはなはだ無理解なことを述べている。江戸も下がり、元禄以降となって、各藩、各地方で自地域振興の経済政策をたてるようになり、「民政の学者が輩出し」たにつき、その一人に尊徳も挙げ、…

銭六文

相応の歳となり、老境に備えたカネもなく、年金などもあてにはならぬ現実に、先行きどうするか、不安を感じるがマア仕方ない。カネがあってもなくてもひとにして変わらぬ事情もあるだろうと思うことにしている。西鶴の「好色盛衰記」巻の二に、揚屋に投銭にい…

天下ハ天下ノ天下

蟠桃、『夢の代、制度第五』から。 天下ハ天下ノ天下也。アニ一人ニ私センヤ。興ルモノヲヲコシ衰フルモノヲ廃ス。自然ノ勢ナリ。ミダリニ平家ビイキ、判官ビイキヲスルハ、婦人ノ仁ニシテ、大仁ニアラズ。 天下はみなが共有するもの、私にできるものではな…

移風易俗、莫善于楽

この言葉、孝経広要道章にあるようだ。蟠桃の『夢の代、制度第五』にこうある。 「風(ふう)ヲ移シ、俗(ぞく)ヲ易(カウ)ルハ、楽(がく)ヨリヨキハナシ」。 アヽ旨(ウマ)ヒカナコノ言ヤ。 世の中の風俗、人々の性向、これらを変え習俗を変えていくの…

萬物の宝

昨今、ずいぶん人間が安く扱われているようですが、昔から、「人間は萬物の宝」と申します。そのわけは・・・、宮崎安貞の答え。 天萬物を生ずる中に、人より貴きはなし。人の貴き故は則ち天の心をうけ継ぎて、天下の萬物をめぐみやしなふ心をのづからそなは…

母校の金次郎

通った小学校の金次郎。最近、不審者もあるゆえ、小学校には入れぬ。外から写す。

隠市(いんし)の散人(さんじん)

山片蟠桃の『夢の代』は好きな書物のひとつ。とにかくその自叙からして好み。 自叙 夏の日の長きに倦(う)みて、枕を友とし眠らんとせしが、忽(たちまち)思ふに、「我既(すで)に齢(よわい)五十にすぎて、徒(いたずら)に稲をくらひ布帛(ふはく)を…

人の迷惑するほどの

これから100年後、私の銀行口座がどうであったか、どんな種類の家に住んでいたか、運転していた車はなにかはどうでもいいことだ・・・・しかし世の中は違っている。こどもの生活にとって重要だからだ。(フォレスト・E・ウィットクラフト) いつの時代も…

致知(ちち)

致知とは、朱子にあっては知識をとにかく広めること、王陽明によれば、自然な、本来的な心の機能を徹底的にはたらかせることをいうそうだ。宮崎安貞は『農業全書』自序でこう言っていたなあ。 凡天下の事、必ず致知と力行とを兼ねざれば、其功なりがたし

能く米穀を食すれば

特段好き嫌いがあるわけではないが、最近、肉類が出てきてもあまりうれしくなくなった。どうも次第に草食動物化しているのかな。 ・・・其の土地其の土地に直耕直織、穀を耕して穀を食い、食して耕し、耕して食う。米穀を食すれば人の精力と為り、人の精力壮…

とにかくやってみる。

田中澄江は『美しい老いの秘訣』(主婦の友社刊)で、『正法眼蔵随聞記(しょうぼうげんぞうずいもんき)』の一節を紹介している。 曹洞宗の開祖道元の弟子で、懐奘(えじょう)の残した『正法眼蔵随聞記(しょうぼうげんぞうずいもんき)』の中に、こんな一…

天道の不均斉

格差社会といわれて久しいが、いつの時代も過度な社会的差隔の昂進が社会・国家を崩壊させる。 我国の前例としては、是等非常危局に際しては、必ず先ず卿相将士(きょうそうしょうし)、官人吏胥(かんじんりしょ)、自ら約して其俸禄を殺き、然る後民庶大衆…

畏心

政府紙幣についての議論が出てきているようだ。しかしもともと政治(家)には期待していないところがあるので、このひどい経済状況に有効な対策の出てくるを期待してもいない。宋代の儒者、呂東萊は「東萊博議」で、こう言っていた。 共患易。共利難。患者人…

民業に寛暇

失業率が4.4%に跳ね上がった。職を探すのも困難で、職を失う人も増えている。他方で、働く者も仕事の現場は追い立てられるように厳しい。そんななか、権藤成卿の文章に触れる。権藤が崇神朝の御誓誥(ごせいこう)に言及し、そこにある「民業を寛(ゆる…

真説・二宮金次郎

東京芸術劇場小ホール2で、「真説・二宮金次郎」をやっていたが今日までで見に行けなかった。残念。二宮金次郎生誕220周年記念公演とのことだったのに。