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よろづ天道まかせで

天下ハ天下ノ天下

蟠桃、『夢の代、制度第五』から。

天下ハ天下ノ天下也。アニ一人ニ私センヤ。興ルモノヲヲコシ衰フルモノヲ廃ス。自然ノ勢ナリ。ミダリニ平家ビイキ、判官ビイキヲスルハ、婦人ノ仁ニシテ、大仁ニアラズ。

天下はみなが共有するもの、私にできるものではない。ついやきもきと世の中の、じぶんの思うように変わることを願いがちだが、興るものが興ってくるし、衰退するものは廃されるのだと思わざるをえないこともしばしば。

ここで、婦人の仁とはとるにたらぬなさけ、小仁を指すという。婦人を差別しているわけではないだろう。つい小仁に流されると反省するが、そういうときはきまって大局を見失っているのか。

経済危機を見ていると、時に達観し、興るものを興しという具合にいくしかないのかと思うときもあるが、なかなかそうもいかないのも人情の実際か。