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よろづ天道まかせで

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

持ち余つて

景気のいい話でも読むかと、西鶴、『好色五人女』、「金銀も持ち余つて迷惑」の部分を読む。 世に有る程の万宝、無い物は無し。源五兵衛嬉し悲しく、是れを思ふに江戸、京、大坂の太夫残らず請けても、芝居銀本(かねもと)して捨てても、我が一代に皆に成し難…

連れにおくれた蝶々

松亭金水、『閑情末摘花』初編巻之中(天保10−12年)の、主人公の米次郎が独り言から。 山茶花や日あたりのよき四畳半。冬とはいへど小春日の。長閑(のど)けきまゝに蝶々の。連れにおくれて只(ただ)一ツ。つれなき命ながらへて花の露すふ在さまを。…

死光(しにひか)り

たしか西鶴は、どこかで、死ぬときは六文あればすむものなりと言っていた。六文とは三途の川の渡し賃である。だから生きているうちにカネは使っておけということかもしれないが、それも人による。誰も縁者のいない者ならともかく、そうでない場合はカネを残…

娑婆ふさぎ

老眼を自覚したときは年齢を感じた。なんだかどんどん進行している感じ。まあ仕方ないか。かなり長時間、pcを使っているし、仕事も楽しみもネットという状況(^_^)それに歳を重ねるのを止められるわけでなし、みなよい年になっていくし。これまた、井原西鶴…

人間、欲あってこそ、と思うときもあるが、まあ欲に限りはなく、反省させられるときもしばしば。井原西鶴、『西鶴織留』にある好きな言葉。 無理なる欲は必ずせまじき事ぞかし。ならねばなるやうに世渡りはさまざま有り・・・

明暮(あけくれ)渡世を分別

なかなか商売や仕事をしていてもなかなか稼ぎにならぬ。うまくいかぬ人生にまずしさ、不自由をかこつて、日々の明け暮れに我が身の渡世の損得を考え、なんとかならぬものかと思う人もいるだろう。井原西鶴の『西鶴織留』第一巻には、そんな人間がふとした目…