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よろづ天道まかせで

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

日の暮たる様

落ち込んで鬱病かもしれないと悩んでいる人がいる。事がうまくいかなかった時はよくある話なんだが、端で見る以上に本人は考え込んでしまったりしている。商家秘録ではこんなこと言っていたなあ。 「・・・真実を以て堅固に勤る心おこらす貯へし物みな沽却(…

つぶつぶと

ネットでブログが流行るようになり、それで遊び始めたのはいつの頃か。そのうちマイクロブログが出てきたので、ツイッターなどを利用し始める。最初はつぶやきと言われて、なんだか奇異な感じがした。しかしそれにも慣れて、つぶやくようになった。しかしど…

取捨に迷ふ

どうも判断に迷うのが生活の一面のようだ。取捨選択しかねて、あれこれの理屈・批評に深入りし、人の判断を参考にするが、キリというものがない。奥田正造は『爐邊閑想』の、法然上人御練行に言及する条で、こう言っていた。 「精微な理論は知的興味をそそつ…

腐敗

厚生年金基金への旧社保庁職員の天下りの話はあきれかえってものも言えぬが、電力料金の値上げを強要する東京電力を見るとどこまで腐りきっているのかと思う。かつて戦前、電力統制に関する逓信省案に対して農本主義者権藤成卿は激しい批判を浴びせたが、そ…

答ふること

「問ふことは易い。しかし答ふることは難い。わたくしは書を読むこと五十年である。そしてわたくしの智識は無数の答へられざる問題の集団である。」 (森鷗外、「北條霞亭」、鷗外全集、著作篇、第十巻、岩波書店、昭和28年、p.4.) 好きな言葉。疑問は次々…

贔屓

企業年金基金がAIJに騙された一件を見るにつき、少しでもよい運用利回りを期待する気持ちが詐欺に遭う一因でもあったかと思う。誰でも自分よかれで、己を贔屓したいのは当然だが、これが付け入られる原因にもなるのだな。 宮本武蔵は『五輪書』、水の巻で…

心眼心耳

松尾芭蕉のいわばスポンサーで蕉門俳人の杉山杉風につき、村上鬼城は「杉風論」を書いているが、そのなかに、 「凡そ事物を見聞するに誰しも耳目を以て見聞すると思ひ居れども、実は、一、耳目をもつてすると、二、心眼心耳を以てすると二つあり。 而して人…

手立てと力

特段、才知才覚が優れているわけではない。それでも力を出し、ふんばって事をなそうと努力をするが、成果はさほど期待できない。それで、それを周囲の条件や偶発的災難のせいにしてしまいがち。じぶんに、事をなすに才知才覚なく、知に暗く、なにかをするに…

ソーシャル

とにかくSNSが不可欠の生活になってきた。何年か前からツイッターを始め、friendfeedやfacebookなど利用させていただいてきたが、それなりに順次飽きてきて、それでも次々に、新たなサービスが生まれているから、飽きたからといって、ソーシャルなサービ…

社交の情操

3月11日である。あらためて、陸前高田、奇跡の一本松の写真を見る。 陸前高田 一本松 この松の木がいかに人に勇気を与えてきたか、そんな思いのなか、かつて西周が、国民性(ナショナリティ)と郷土愛(パトリオチック)につき、大なる社交の情操として述…

仮の物

「何事も詞の意をよくよく考ふべし。文字は全く仮の物にて、其義をふかくいふにもおよぶまじき事也。然るに、人みな此ことわりをわきまへず。文字を主として、古言をば仮の物のやうに心えて、よろづをいふ故に、ひがこと多し。」 (本居宣長、『石上私淑言』…

よその事

一年前の震災の日が近づいてきた。この一年、なによりも問われたのはモノを感ずる力であったのだろうと思う。 「又人をあはれとおもはする功徳をいはゞ、まづ民(タミ)をおさめ、国をまつりごつ人は、なべての世の人の情(コヽロ)のやうをくはしくあきらめ…