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よろづ天道まかせで

森鷗外

要路

多事多難な時代。しかし課題の解決に取り組める人材は日本にはまだまだいらっしゃるはずと思う。テレビのニュース番組をみていたら、大臣になる方々の予想を流していた。こうした要路にある方々には、有能な方々を発掘し、登用して日本の諸課題の解決が少し…

己の世の中

森鷗外は渋江抽齋の伝記で、彼が亡くなる頃の話として、こんなことを紹介している。抽斎が幕府に召されることになり、かといって恩ある津軽家を辞するわけにもいかない。そこで病気と言い訳して幕府の求めを辞退し、そういったからには、津軽家のほうも辞め…

倦憊

森鷗外は、北條霞亭の伝記を書くなかで、その書簡をひいて、こう言っていたなあ。 「『・・・多事、いづかたへも出不申、日々講業に逐れ候計、おもしろくもなんともなく候。』日常生活に倦めるものの口吻である。・・・人の性情には時代もなく国境もない。・…

衆星共之

いうまでもなく北辰とは北極星のことだが、政治に従事する人たちの集まりにもこの言葉を使うところがあるようだ。 森鷗外が書く渋江抽齋の伝記のなかにも、渋江の人に諭すところとして下記のようにあるそうだ。 衆星之に共(むか)うのが北極星。「人は皆奈…

答ふること

「問ふことは易い。しかし答ふることは難い。わたくしは書を読むこと五十年である。そしてわたくしの智識は無数の答へられざる問題の集団である。」 (森鷗外、「北條霞亭」、鷗外全集、著作篇、第十巻、岩波書店、昭和28年、p.4.) 好きな言葉。疑問は次々…