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よろづ天道まかせで

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

慎専要之事

「不知々々奢つよく相成次第致困窮 夫よりして諸事様々害起り 田畑家其身をも失ひ候様に成行可歎事に候 如斯御治世安楽に可暮処をも不存候様相成 勿体なき事に候 其元は奢よりの事故 常々慎(ミ)専要之事 (「勤方住居窺書」) 知らず知らずぜいたくになって…

学ぶべくして

「人は皆な学ぶべくして、能、不能はなきなり。」 (『言志後録』) この言葉は好きなもののひとつ。ここで学ぶとは、道義とは無縁となり、人との知識の落差を以て誇るがごとき知識でも技芸のたぐいでもなく、人たるの道。人生の実際、実事に処す実学という…

世並之習はし

尊徳、「勤方住居窺書」にこうあった。 「風俗をつヽしみ世並之習はしに流れす一途に実意を尽し精出古風を不失儀第一之事・・・ 考えてみれば、世間並みの習わしがこれからも続けていけるかは疑わしい。「古風を失わず」というのもいいな、と。

正道

「天下国家ヲ治ムル上デハ政刑ノ治世ガ正道デゴザツテ、徳礼ノ化ト云フハ孔孟ノ夢デゴザツテ、未ダ曾テ此天地此地球上ニハ、西ニモ東ニモ今モ古モ有タコトハナイ」 (西周、「百一新論」) 西周はまことに、荻生徂徠の学徒というべきだなあ

食を求め

尊徳、14で父を失い16で母を亡くす。それからを「勤方住居窺書」にこう記す。 「・・・初めは荒地を開き田畑を耕し夫食を求 口服を養はんと欲し 或は衣服を求 寒暑を凌かんと欲し 或は居住を求 風雨を凌かんと欲し 或は父母之丹精を尽せし大恩を報せんと欲…

衰乱

昨今の世の中を見るに、『百一新論』の 「世ノ衰乱ニ趨ク」 という表現がグサリとくる。

同じからざる

「・・・我に同じからざる者も、与(とも)に交はるべくして、その益はすなはち尠(すくな)からず。他山の石、以て玉を磨くべしとは、すなわちこれなり」 (『言志耋録』) 気があったり同じ趣味であったり、同種同好の人たちと付き合うのは楽しいが、そう…

過閑

それにしても夏休み取って休養すべきだなあ。 「清忙は養を成す。過閑は養にあらず。」 (『言志耋録』) とあり、心がざわつかない忙しさは心身を養う、ひますぎるのは養生にはならんと言っているな。暑さを避けて、したくても普段できなかった課題をゆっく…

安身

「寒為暖安身者、人之道也、寒之為寒時者、天之道也、 暑之為暑時者、天之道也、暑為冷安身者、人之道也、 (尊徳、「未定稿」) 今日も暑い日だった。寒の寒たる、暑の暑たる時は天の道、ひとのすることじゃあない。寒を暖とし暑を冷とし身を安んずるのが人の…

自然に従ふ

さて、今日はPCで遊ぶのはこれまでとするか、眠くなってきた。我が身の自然に従おう。 「養生(ようせい)の道は、ただ自然に従ふを得たりと為す」 (『言志後録』)

狃、任、頼

「少(わか)き者は少きに狃(な)るること勿(なか)れ。壮なる者は壮なるに任ずること勿れ。老いし者は老に頼むこと勿れ。」 (『言志耋録』) カンタンに言えば、若い者は若いのにまかせて図に乗るな、壮年は元気だからといって何事も思い通りにしようと…

大小貧富の源

「・・・天に晝夜あり寒暑あり年に豊凶あり又人に賢愚あり業に精不精ありて盛衰貧富苦楽を生し難安は大小貧富の源を不知か故なり・・・ (「大澤小才太報徳金克譲増益鏡」) なにごとも差隔あるには源、つまりは原因があるか。それを知らねば安心な生活を実現…

極窮に陥り

「・・・老て妻なきを鰥(やもお)と云 老て無夫を寡といふ 幼て無父母を孤といふ 老て無子を独と云 如斯之極窮に陥り候共・・・ (「曽我別所村民次郎家株再興相続議定書跋文」) 我が国はこれからますます単身で世を渡り、老いていく人間が増えるだろう。鰥…

相輔(あいたす)くる

「・・・過(すぐ)るを磨(ま)し不足を補ひ、互に過(あやま)ちを告げて相輔(あいたす)くるものなるに、今の学者は過(あやまち)を聞くことをいとひ、至情を云ふ者をにくめば、・・・ (『集義和書』) まあいつの時代もそうだなあ。特別、学者に限る…

酷暑。まあ暑い。人の世の宝は、「まめ」、「ちえ」、「とみ」というが、第一の宝、健康(まめ)を害しそうだ。 「・・・人ノ世ニ宝タル者三ツアリ、・・・三宝トハ何物ナルヤト云フニ第一ニ健康(マメ)、第二ニ知識(チエ)、第三ニ富有(トミ)ノ三ツナリ…

最大目的

「・・・其中道ヲ行クヲ善シトス可シト雖ドモ、国家多般ノ事ハ必其中道ノミヲ執守ス可カラサル事モアル可シ、何様カヽル時ニハ、最大目的ニ達スル至便ナル方便ヲ求ムヘシ、・・・ 西周、『五原新範』にこうあるが、まことに国家多般。それらにつき「最大目的…

思ひつる所

「・・・誰にもあれ己ノか真と思ひ定めつる限リを人々に喩しなむと思ふに、佗(わび)し人は又己ノか真と思ひつる所もてそを拒ミつるものから、かの争ヒてふは出来めり、・・・」 (「復某氏書」) 各自にこれぞ真と信ずるものがあり、それを他人に諭そうとす…

今日

「昨日を送りて今日を迎へ、今日を送りて明日を迎ふ。人生百年、かくのごときに過ぎず。故に宜しく一日を慎むべし。・・・ (『言志晩録』) さて今日も終わりだ。よろしく慎んだかどうかはわからない。しかし休日とはいいながら、仕事をする。すべきことの…

見解(けんげ)

「・・・柳はみどり花は紅(くれなゐ)と、それぞれに物の軽重は軽重にして置て、我あづからざるぞよく候。金銀(きんぎん)と土石(どせき)と同じく見るといふも、見解(けんげ)を以て作りたるものなり。・・・ (『集義和書』) 経済に不安のタネは尽き…

中道ならぬ身に

「・・・人情は進み過てあやまち又退き過て片寄過る事多し兎角中道ならぬ身に病あり依て進退は勿論何分先後する所相分り兼無是非・・・ (「利根川分水路堀割御普請見込之趣申立書」) 物事を進めていくとき、中道を得て維持していくのは難しいものだなあと…

妄りに読むべからず

「・・・書は妄りに読むべからず。必ず択び且つ熟する所あれば、可なり。 (『言志後録』) 書物はむやみに読んではいけない。必ず良いものを選んで熟読しなさいといっている。昨今は、書物のみならず、ネットでも情報が溢れている。読み尽くそうとしたらい…

食の足る足らざる

明末清初の実学者、唐甄(1630−1704)は『潜書』養重で、こう述べているという。 「夫れ荊士・駱士の其の節を守る能はざるは、食足らざればなり。殷士の能く其の節を守るは、食足ればなり。節の立つ立たざるは、食の足る足らざるによる。食の人に于…

物産

『子爵由利公正伝』で由利公正はこう言っていた。 「物産さえ起こせば、即ち桑畑に金山が出来たと同じ事だ。如何程な金山を得るとも雖も、民力で日夜に引くほど大きいものはない・・・」 日本産業、しっかりせんといかんなァ

説法

「・・・世間の坊主の説法は、己(おの)が破戒無慙(はかいむざん)のいひわけと見え申し候。渡世の事に候へば、とかくの批判に不可及候 (『集義和書』) 特段、宗教のと限らないが、説法のたぐいに溢れている。そのひとつひとつ、どうなんでしょうかねえ…

喪ふ

佐藤一斎、『言志録』に、 「己れを喪へば、ここに人を喪ふ。人を喪へば、ここに物を喪ふ。」 とあるという。ここで喪うとは見失い、どうでもいいやと自分を見放すことだろうか。人に見限られるとき、よく考えると、その前にじぶんでじぶんを見限っているも…

易きに以て難し

選挙の騒々しさもあと少しの辛抱か。佐藤一斎、『言志晩録』に、 「彼を知り己れを知れば、百戦百勝す。彼を知るは難きに以て易く、己れを知るは易きに以て難し」 とあるそうだ。敵を知るのは難しいように感じられてもホントは容易。実は味方を知るほうが困…

外内符号するを

太宰春台は『聖学問答』でこう言っていたという。 「事と心と洞徹して一致なるを誠という。事をなしてその心なきは誠にあらず。心ありてその事をなさざるも誠にあらず。事は外なり、心は内なり、外内符号するを誠という。」 ちょっと前まで首相であった方は…

是非の争ふや

「夫れ是非の争ふや、歳時の如く然り、昼夜更迭し、相一ならず、昨日は是にして今日は非なり、今日は非にして後日又是なり」 (『蔵書』世紀列伝総目前論) 経済社会をみていると、すべて相対的なものであることがよく分かる。人は是非正誤を言うが、まあ時…

途上の人

「人の徳性は、本より是れ至尊にして対するもの無し。・・・爾尊徳性の人を以て異と為すこと勿かれ。彼其の為す所も亦衆人の能く為す所に過ぎざるのみ。人但だ性に率(したが)ひて為す、以て聖人の為を過高視すること勿かれば可なり。堯舜と途人とは一たり…

一の不足を以て

「・・・一の不足を以て三の徳を廃すべきことは、上世といふともあるべからず。況や末代においてをや。 (『集義和書』) いつの時代であれ、ひとつの欠陥を正さんとして三つのよいものを台無しにすることなぞあってはならない。しかし、一つの不足をあげつ…