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よろづ天道まかせで

佐藤一斎

去るを忘れて

「人は皆な往年の既に去るを忘れて、次年の未だ来らざるを図り、前日の已に過ぐるを舎てて、後日の将に至らんとするを慮る。」(『言志耋録』) 人間は忘れっぽく、目先のことばかり気に掛けているわけだ。

楽を存するの工夫

「人は須らく忙の裏に間を占め、苦の中に楽を存するの工夫を著くべし」 (『言志耋録』) 「間を占め」とはくつろぐ時間くらいの意味だろう。忙しい時にはなかなかそうもいかない。「苦の中に楽を」とは苦しくても楽天的にという意味か。くつろげず、やすら…

古往の歴史は

「古往の歴史は、これ現世界にして、今来の世界は、これ活歴史なり」 (佐藤一斎、『言志録』) まことに過去の事実は現在社会の事実であり、現在の世界が生きた歴史として未来を生み出していくのだな。その意味で、歴史の事実を明らかにし将来に備えなきゃ…

その力を得る処

見解の相違に基づく争いというのは、特段学者に限らずあるものだ。朱子学と陽明学の争いに付き佐藤一斎はこう言っていたか。 「今の学ぶ者、宜しく平心を以てこれを待ち、その力を得る処を取るべくんば、可なり。」 (『言志録』) 「平心を以て」とは虚心坦…

已むを得ざるに薄(せま)りて

「已むを得ざるに薄(せま)りて、而る後に諸(これ)を外に発するものは、花なり。」 (『言志録』) なるほどぎりぎりまで時が満ちて咲くのは花か。しかし、やむをえざるに迫っても、花さえ咲かず、外に発するものさえ枯れ果てているようでは困るな。我が…

過失

「・・・過失もまた多く喜怒の辺に在り。・・・ (『言志耋録』) 人の感情、喜怒哀楽というが、喜怒の感情に支配されているときが多い。それはまた間違いを犯すリスクが高いときでもある。喜怒が起こるときは必ず過失が伴う可能性が高いことを承知しておか…

鶏鳴きて起き

「毎旦鶏鳴きて起き、澄心黙坐すること一晌(いつしょう)、自から夜気(やき)の存否如何を察し、然る後に褥(しとね)を出でて盥嗽(かんそう)し、・・・ (『言志後録』) 夏でもあり、朝型人間に変わろうと思い、早寝し早朝起きる習慣を作り始めた。近…

学ぶべくして

「人は皆な学ぶべくして、能、不能はなきなり。」 (『言志後録』) この言葉は好きなもののひとつ。ここで学ぶとは、道義とは無縁となり、人との知識の落差を以て誇るがごとき知識でも技芸のたぐいでもなく、人たるの道。人生の実際、実事に処す実学という…

同じからざる

「・・・我に同じからざる者も、与(とも)に交はるべくして、その益はすなはち尠(すくな)からず。他山の石、以て玉を磨くべしとは、すなわちこれなり」 (『言志耋録』) 気があったり同じ趣味であったり、同種同好の人たちと付き合うのは楽しいが、そう…

過閑

それにしても夏休み取って休養すべきだなあ。 「清忙は養を成す。過閑は養にあらず。」 (『言志耋録』) とあり、心がざわつかない忙しさは心身を養う、ひますぎるのは養生にはならんと言っているな。暑さを避けて、したくても普段できなかった課題をゆっく…

自然に従ふ

さて、今日はPCで遊ぶのはこれまでとするか、眠くなってきた。我が身の自然に従おう。 「養生(ようせい)の道は、ただ自然に従ふを得たりと為す」 (『言志後録』)

狃、任、頼

「少(わか)き者は少きに狃(な)るること勿(なか)れ。壮なる者は壮なるに任ずること勿れ。老いし者は老に頼むこと勿れ。」 (『言志耋録』) カンタンに言えば、若い者は若いのにまかせて図に乗るな、壮年は元気だからといって何事も思い通りにしようと…

今日

「昨日を送りて今日を迎へ、今日を送りて明日を迎ふ。人生百年、かくのごときに過ぎず。故に宜しく一日を慎むべし。・・・ (『言志晩録』) さて今日も終わりだ。よろしく慎んだかどうかはわからない。しかし休日とはいいながら、仕事をする。すべきことの…

妄りに読むべからず

「・・・書は妄りに読むべからず。必ず択び且つ熟する所あれば、可なり。 (『言志後録』) 書物はむやみに読んではいけない。必ず良いものを選んで熟読しなさいといっている。昨今は、書物のみならず、ネットでも情報が溢れている。読み尽くそうとしたらい…

喪ふ

佐藤一斎、『言志録』に、 「己れを喪へば、ここに人を喪ふ。人を喪へば、ここに物を喪ふ。」 とあるという。ここで喪うとは見失い、どうでもいいやと自分を見放すことだろうか。人に見限られるとき、よく考えると、その前にじぶんでじぶんを見限っているも…

易きに以て難し

選挙の騒々しさもあと少しの辛抱か。佐藤一斎、『言志晩録』に、 「彼を知り己れを知れば、百戦百勝す。彼を知るは難きに以て易く、己れを知るは易きに以て難し」 とあるそうだ。敵を知るのは難しいように感じられてもホントは容易。実は味方を知るほうが困…

回旋して移る

佐藤一斎の『言志晩録』に、人生を海潮に譬えて、 「・・・退潮は直退せず。必ず一前し一却して漸退す。すなはち回旋して移るなり。進潮もまた然り。・・・」 とあるという。これ、必ずしも人生についてばかりでないと思う。世の中のこと、すべからく「回旋…

老学

『言志耋録』に、 「老学尤も宜しく老力を励ますべし」 (老学尤宜窅老力) とあるようだから、老いても学び、そのためには老いた力にいっそう力を加えねばならないとはいえ、やはり以前より疲れはたまりやすい。本日は週末。老力を抜くとするか。

人己は一なり

この精神でいきたいもの。

行ひて

どうも今日はうまくないなあ。今日は、これかな。 行有不得。反求諸己。 行ひて得ざる有り。反(かえ)りみて諸(これ)を己れに求む。