2010-09-12 その力を得る処 佐藤一斎 見解の相違に基づく争いというのは、特段学者に限らずあるものだ。朱子学と陽明学の争いに付き佐藤一斎はこう言っていたか。 「今の学ぶ者、宜しく平心を以てこれを待ち、その力を得る処を取るべくんば、可なり。」 (『言志録』) 「平心を以て」とは虚心坦懐な態度をいうが、そうした平静な気持ちで争いをみておきたい。そうすれば、その力を得るところ、すなわち長所・利点を採ることもできるかな。もちろん、採るべきことなにもないというケースもあるが、それとて平心から得るものはあるなあ。