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よろづ天道まかせで

手立てと力

特段、才知才覚が優れているわけではない。それでも力を出し、ふんばって事をなそうと努力をするが、成果はさほど期待できない。それで、それを周囲の条件や偶発的災難のせいにしてしまいがち。じぶんに、事をなすに才知才覚なく、知に暗く、なにかをするに術なく、また手を知らぬだけであったのだ。
宮崎安貞の『農業全書』、一之巻にこうあった。

「又曰く、大小の農人其分限に順ひそれぞれの備へを立て、耕作をよくつとめぬれば、をのづから天のめぐみも厚くして是にましたるすぎはひなき事なれども、或は愚かにして才覚機転を用ひる事あたはず。或は怠りて其つとめたらず、却つて咎を土地と天災とにおほせて、是只仕合のなす事なりと口にまかせていひくらます類是多し。皆智のくらきより出づることなりと古人も譏れり。されば其働きよけれども才覚才智たらざるものは、随分骨折苦労をなすといへどもさらに其功なくして、必ず過分の利を得る事なりがたきものなり。たとへば相撲取るものゝ力つよくしても、其術つたなく手をしらぬと同じ理なり。手立と力と兼ねたるを達者とは云ふ也。」
(宮崎安貞、『農業全書』、岩波文庫、pp.95-96.)

今日は休日。自身の才知才覚を磨くために勉強でもするかな。分に過ぎたる利益を望むならば日々これ精進か。