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よろづ天道まかせで

宮崎安貞

手立てと力

特段、才知才覚が優れているわけではない。それでも力を出し、ふんばって事をなそうと努力をするが、成果はさほど期待できない。それで、それを周囲の条件や偶発的災難のせいにしてしまいがち。じぶんに、事をなすに才知才覚なく、知に暗く、なにかをするに…

後に期(ま)つ

「・・・又木を栽ゆる者は用を十年の後に期(ま)つとて、・・・ (宮崎安貞、『農業全書』) いま十年先を考える者がいるのだろうか。企業は200兆円を超える現・預金の上に座り、人材にも設備にも投資をしない。後に期すことをしなくなった社会は衰退す…

鬱したる気を解(げ)し

宮崎安貞の『農業全書』、「糞(こゑ)第六」で泥糞を扱った条りに、この肥料の利点につきこうあった。 「・・・物の鬱したる気を解(げ)し、物をさはやかにし、萬に用ひて難なきこゑなり。」 世の中、鬱屈しているようにみえる。それを解いて、さわやかにし…

萬物の宝

昨今、ずいぶん人間が安く扱われているようですが、昔から、「人間は萬物の宝」と申します。そのわけは・・・、宮崎安貞の答え。 天萬物を生ずる中に、人より貴きはなし。人の貴き故は則ち天の心をうけ継ぎて、天下の萬物をめぐみやしなふ心をのづからそなは…

致知(ちち)

致知とは、朱子にあっては知識をとにかく広めること、王陽明によれば、自然な、本来的な心の機能を徹底的にはたらかせることをいうそうだ。宮崎安貞は『農業全書』自序でこう言っていたなあ。 凡天下の事、必ず致知と力行とを兼ねざれば、其功なりがたし