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よろづ天道まかせで

日の暮たる様

落ち込んで鬱病かもしれないと悩んでいる人がいる。事がうまくいかなかった時はよくある話なんだが、端で見る以上に本人は考え込んでしまったりしている。商家秘録ではこんなこと言っていたなあ。

「・・・真実を以て堅固に勤る心おこらす貯へし物みな沽却(こきやく)して 今俄(にはか)に日の暮たる様に後悔し 中途にて止(やむ)るものあり 是又誤り也 始に誤たる時 早く改るこそ可なり 身上を打込て止めてハ 元へ帰る事もならす いつか安居の身に至らんや 此時に逢は十死一生の心を以て 喩(たとへ)口にかすを喰(くらひ)身につゝれをまとふ共 世間の事に拘らず一心不乱に此商を以て 一度已前に立帰るへき心ざしを定めバ 念力岩を通すならひ 終(つゐ)に心ざしを遂げすといふ事有べからす」

商家秘録は米相場の本だから相場で失敗したときのことが書いてある。そこでの失敗は並のしくじりを超えることが多々。また起業したり事業を手がけたりしたときのそれもかなりの打撃である。そうしたとき、失敗すると意気消沈して、まるで日暮れにいるかのようになってしまう。そして手がけねばよかったとの後悔ばかりで、じぶんの本来の仕事も勤める気力をなくしてしまうことがある。これは間違いだ、誤りは早く改めるのがよい。そしてこういうときは、世事に関わらず一心不乱に勤めて一度已然の状態に戻れと。後悔と共にいるのでなく改めるが大事と。そうして過ぎた以前になんとしても戻ると。そうだなあ、そこからまた将来が展望できるのだな。よくいわれることだけれど、後悔に囚われず間違いをなるべくはやく改めて反転の契機とする、それしかないわけだ。