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よろづ天道まかせで

佐藤信淵

紙餅

もう4年くらい前になるけど、餓死する人が頻出して問題になった折に https://www.dropbox.com/s/pmba0799x9boii0/sankei20120226-gasi.jpg?dl=0 飢饉と餓死の歴史を調べてみたことがある。まあ、こんな世界ではあるので、役に立つ知識、考えさせられる史実…

産霊神

まあ宗教的なことにすぎないかもしれないが、日本人のふつうの心像風景にある神道的な世界が、いかに万物を掌る八百万、こんにちふうにいえば環境かもしれない、それを大事にしているかが、佐藤信淵の『経済要録』から理解できる。佐藤は平田神道の人間であ…

千変万化の奸計

OWSの運動がどう広がり展開していくかに関心があるが、そのさいに思い浮かぶのが、佐藤信淵の『垂統秘録』における「天下の貨財、其七分は豪家に併呑せられ、世界は偏重をなし、貧富片落しにのみ運動する勢」となった現実への批判の一文。 「夫れ万民を使役…

本業

「夫れ国土を経営し物産を開拓し、境内を豊富にして万民を済救するは、人君上天に事(つかえ)るの本業なり、・・・ (『経済要録』) いつの時代も為政者は経済を開発し、人々を救済するものであってほしいが、本業、おろそかになっていはしませんか。

養育料

「・・・土石類十七種、生植類二十種、活物類十五種、三類都合五十二種は、世界の人民を蕃息せしむるの養育料の設に、皇天より八百万神を役使して化育し給へる所なり、故に能く上帝の神意を奉り、水陸両箇の無尽蔵を開て、万物を多く採出し、世界を豊饒にし…

諸件の手当悉十分に

「蓋(けだし)国を富すと云ふは、其境内人民の食物衣類を豊饒にし、武器兵法を精鋭にして、万一飢饉・外寇不慮なる変事起り、仮令五年も十年も耕作すること能はずと雖も、諸件の手当悉十分に全備して、少しも窘蹙ることの無きを云へることにして・・・ (『…

溯囘(そかい)に倒反(ひつくりかへ)す

「此れを挽囘(ばんかい)して富国と為さんことを欲せば、其衰微を招致したる病原を熟察して、此れを溯囘(そかい)に倒反(ひつくりかへ)すより外に施術あること無き耳、・・・」 (『経済要録』) 我がジャパンはいまや衰退途上国であるらしい。憂うべき…

人世運歩の理

お盆は新暦でする地域に暮らしているので、お盆休みは無関係ともいえるが、世の中がなかば止まっているので、かっこうの夏休みである。普段なかなか会えぬ人とも会う機会がある。茶菓など楽しみ、話がはずむ。あそこのなんとかという菓子はうまい、どこそこ…

富国の法

「・・・世上の経済家富国の法を論ずるに、大抵皆蓄積を以て主とするは、此れ大なる誤なるべし・・・」 (佐藤信淵、『経済要録』) ここで蓄積とは民間経済における資本の蓄積を指すわけではない。税を引き上げ、国庫の歳入を増やすことを指す。信淵の基本…

窘蹙(きんしゅく)

「・・・聚斂(しゅうれん)を専(もっぱら)とし、貨殖を務て君の府庫を実せしめ、此れを以て富国とする者の大なる誤なることを知る可し。・・・凡そ財用を積聚るは、何れ吝嗇を行はざれば調はざることにして、苟も仁心深き人には絶て出来易からざること也…

古に倍する

BP社によるメキシコ湾原油採掘での流出事故はなかなか流出が止まらず、いまBP社の株も暴落するような事態に至っている。このニュースを最初に聞いたときに、思い出したのが佐藤信淵が『経済要録』中で金銀の採掘につき述べていた条り。 「・・・何づれの山も…

不可緩者

「・・・民事は実に不可緩者にて、一夫不耕、有迫飢者、一婦不織、有受寒者とは当然の理なり、・・・ (佐藤信淵、『経済要録』p.23) まったく民事は緩めるべからざるものであるなあ。とにかく継続しなければならぬ。

衣食住

「・・・生民の一日も無くては叶はざるものは、食物・衣服・居宅なり、此三つの物備はらざれば、人民其性命を保続すること能はず、故に経国の業を創めんとするには、先づ倹素を努て下民の衣食住を全備し、而して後に物産を開き、交易を通じ、以て国家を富盛…

素朴

「・・・開物の業を創めんと欲するには、先づ国土太初の素朴を熟知するを要とす、何となれば、素朴は善政の基なることを知らざれば、繁華奢靡(はんかしゃび)の世に当て、家政を改革すべきの時務に暗し、若し夫れ国政を改革すべきの時に当て、其機会を失ふ…

創業

「創業とは、開物の業を創むるを云ふ、所謂る開物とは、国土を経営し、物産を開発し、境内を富贍にして、人民を蕃息せしむるの業なるを以て、即ち天地の神意を奉行するの事なり、・・・ (佐藤信淵、『経済要録』p.20) あくまでも視線が域内に向けられてい…

本心

「一境の人民を救ひ、以て天恩の万一に報ぜよ、若し夫れ天に事(じす)るの本心も無くして、唯た妄りに其国を富すの策を立る者は、皆是経済道の妖魔なり。」 (佐藤信淵、『経済要録』p.19) 限りない天の恩によって私たちが生存しているとすれば、その一つ…

経済の要旨

「・・・所謂経済の要旨とは、・・・天地の神意を奉行するの大道にして、国家に主たる者は一日も怠るべからざるの急務なり。」 (佐藤信淵、『経済要録』p.17) 奉行するとは事を指揮、執行すること。天地の神意を執行するのが経済とは、天地を無視して無限…

富贍

「・・・国家に長たる者は、仁を施し徳を脩て、境内の百姓を愛育し、以て上天の寵愛に答へずんば有べからず、其百姓を愛育せんことを欲せば、先其国内を富贍(ふせん)せしめずんば有べからず、国内に富贍せしめんことを欲せば、先経済の要旨を修ずんば有べ…

皇天の神意

「・・・皇天の神意を会得すべし、然らざるときは、経済の道を脩むと雖ども、未全く善を尽せる者に非ざるなり、抑々上天、積徳の人を尊栄して、必万民を使令すべき尊貴の家に生れしめ、守護神までを付給ひて、此を冥助せしむる所以は、他なし唯是仁政を行て…

上天震怒

「・・・然れども尚融通の難渋なるに及では、終に領内の百姓を剥奪(はぎと)るに至る、於是乎領民皆其侵漁の難に罹りて、食物・衣類の足らざるに因み、孕婦は其兒を養ふこと能はず、往々に此を堕胎(おろし)陰殺(まびく)す、夫れ人間は皇天の極めて慈愛…

虚談

「・・・是以て借債は年々に増積り、虚談は月々に上達す、於是乎債主も膽(きも)を消し、以後貸す者の絶て無きに至る、・・・ (佐藤信淵、『経済要録』p.15.) 政治家たちはまことに虚談のみ。 最近のソブリン・リスクを見ているようだな。

約託の如くに

「夫(それ)花利(りつき)の金を貸ざる以前すら既に財用の給ざるに因む、然るに利倍の金を借入て、先眼前の穏なるを計り、尚其奢侈をも警ず制度をも改めずして、約託の如くに利足を加へ其金を返す者ならば、其後の貧窮は益々甚しかるべきも亦論ずるに及ば…

眼前の穏便を計る

「既に財用の給らざるに臨み、恐れて早く経済の道を脩め、厳しく制度を改正するときは、挽囘どすことも難からざる者なれども、此も亦明君か賢大夫の変に応じ時務を知りたる者に非れば、及ぶこと能はざる所にして、大抵は花利(りつき)の金を假貸して、先眼…

国用を弁ずる

「・・・夫財用の費ること年々彌増に増長することなれば、国内より出る物産等も亦年々彌増に倍加するに非れば、其国用を弁ずるに足らず、然るに財用の費ることのみ増長して物産の生ずること無きに至ては、国内漸々に空虚になりて、後には財用に手窘べきは論…

奢侈驕慢に趣く

「・・・太平の永続くときは、皆安楽に耽るが故に、亦窃に畏るべきの一事あり、如何なる事ぞと云ふに、人々至治の慈沢に潤ひ、其身の安佚なるより、種々巧妙なる思慮を起し、居処・飲食・衣服・玩弄の器物を始として、万端皆華美精好に為りて、識らず覚えず…

善政

「夫れ今時の如く太平二百余年、四海波濤の難なく、万国干戈の患なきは、古今珍しきことにて、頌讃し奉るべき最上の御世なり、然れども亦上古聖人の明戒の如く、治世にも乱を忘れずして、食を足し兵を足し、信義を尚ぶは、善政の善なる者なり、・・・ (佐藤…

怠る可からざる

「小民孝心ありと雖も、衣食の足らざるに及では、其父母を飢寒せしめざること能はず、国君仁心ありと雖も、財用の給(たまは)らざるに至ては、其百姓を剥奪はざることを得ず、是以て経済道の一日も怠る可からざるを察すべき也、・・・ (佐藤信淵、『経済要…

満ち足らす

「・・・小民の専務は、各々其家業を励みて、衣食を充足らすより要なるは無し、・・ (佐藤信淵、『経済要録』p.13) まあ我等小民にすぎぬが、それぞれその職能、職分に鋭意努めるほかなし、と。

邦内を富豊にする

「・・・国君の要努は、経済道を脩めて邦内を富豊にするより要なるは無く、・・・ (佐藤信淵、『経済要録』p.13) 国君とは現代で言えば政治のことだろう。邦内を豊かにするのがその要とはキホンだなあ。

空虚

「国内既に空虚し食物・衣類の足らざるに及では、百姓人倫五常を守ること能はずして、或は刑罰をも畏れず悪事を為し、或は老弱は飢寒に斃れ、壮者は悉く離散して、田畠は荒廃し、郷里に人の無きに至る、可不畏哉、・・・」(佐藤信淵、『経済要録』) 現代日…