上天震怒
「・・・然れども尚融通の難渋なるに及では、終に領内の百姓を剥奪(はぎと)るに至る、於是乎領民皆其侵漁の難に罹りて、食物・衣類の足らざるに因み、孕婦は其兒を養ふこと能はず、往々に此を堕胎(おろし)陰殺(まびく)す、夫れ人間は皇天の極めて慈愛し給所なり、然るに国君経済の道を脩ざるに因て、其領民をして此の如くなる酷虐に遇しむ、不亦悲乎、早く省察して其過ちを改めざるときは、上天震怒して、必ず此れに明威を降し、或は天禄永く終るに至る、・・・
(佐藤信淵、『経済要録』p.15)
まことに天の怒りに触れるということはあるな。資源・環境すべて天の禄、しかるにそれさえなくなるときがこよう。経済のよろしきをえなければならぬなあ。