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よろづ天道まかせで

千変万化の奸計

OWSの運動がどう広がり展開していくかに関心があるが、そのさいに思い浮かぶのが、佐藤信淵の『垂統秘録』における「天下の貨財、其七分は豪家に併呑せられ、世界は偏重をなし、貧富片落しにのみ運動する勢」となった現実への批判の一文。

「夫れ万民を使役し、租税を貢納せしむるは国君の業なり。然るに富豪等は、匹夫下賤の身を以て、公然として国君の事を行ひ、国家の年貢の外、別に私の貢税を取り縦(ほしいまま)に貧人を役使して国力の疲弊を催促し、百姓をして其父母を凍餓せしめ、児孫を殺害して、郷里を離れ他邦に迷はしむ。天地の神意に垂戻するの罪悪、国勢を頽廃するの災害、富民より甚しきものあらんや。国家の君師として、下民を教導せずして、斯くの如く天意に垂戻せる罪悪を恣(ほしいまま)に為さしめ、尚是を罰すべしとせず、国勢既に頽廃すれども憂ふべしともせず、安然として年々数万の赤子を陰殺す。若し皇天震怒して明威を降すことあらば是を奈(いか)んかせん」

ウォールストリート、金融の「千変万化の奸計を用ゐて、四海の富を」かつての豪家のごとく私してきたのではないか。