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よろづ天道まかせで

呂東萊

釣餌を為して

「・・・釣餌(てうじ)を為して以て魚を誘ふ者は釣(てう)なり。陥阱(かんせい)を為して以て獣(じう)を誘(みちび)く者は猟(れふ)なり。釣者(てうしや)を責めずして魚の餌を貪るを責め、猟者(れふしや)を責めずして、獣の阱(せい)に投ずるを…

吠える

「・・・一犬(けん)形(かたち)に吠(ほ)え、百犬聲(こえ)に吠えて、仁義の道荒(すさ)まん。・・・ (呂東萊、『東萊博議』) 流行らしいツイッターをたまに覗くことがあるが、この一文を思い出ささせられるときがあるな:)

「蓋(けだ)し事に善悪有り、而(しか)も念(ねん)には善悪無し。是(こ)の念、事の善なる者に加はれば、則(すなは)ち善念と名づけ、事の悪なる者に加はれば、則ち悪念と名づく。・・・ (呂東萊、『東萊博議』) ここで念というのは早い話が人間の意…

敢(あへ)て之を侮(あなど)らんや

呂東萊、『東萊博議』の「隨(ずゐ)楚(そ)に叛(そむ)く」中の一文に目が止まる。 「君子は我の弱(じやく)を憂(うれ)へて、敵の強(きやう)を憂へず、我の愚(ぐ)を憂へて、敵の智(ち)を憂へず。弱は強の対(たい)なり。我苟(いやしく)も弱(…

偃然(えんぜん)として

テレビニュースで我が国の指導者になる人物を見る。その偃然(えんぜん)とした、つまり驕傲さをたたえた得意の表情に、呂東萊、『東萊博議』の「宋公楚人泓(おう)に戦ふ」中の一文を思い浮かべる。 「宋襄は宋に君(きみ)として、豈(あに)楚(そ)の強…

塗(と)に謀(はか)る

「塗(と)に謀(はか)る者は鄰(りん)に謀るに若(し)かず、鄰に謀る者は家に謀るに若かず」 (呂東萊、『東萊博議』) ここで「塗(と)に謀(はか)る」とは誰とも知らぬ道行く人に相談することを意味するのだろう。それより隣の人間に相談するほうが…

自ら戒(いまし)めざる者

呂東萊、『東萊博議』の「楚、弦黄を滅す」の條りにこうある。 「天下の禍(わざはひ)は、人を恃(たの)んで自ら戒(いまし)めざる者、其最(さい)に居(を)る。天下の辱(じよく)は、人の為に恃まれて而(しか)も保(ほ)する能はざる者、其最(さい…

農夫の陰に之が為に耕す

「天下の僥倖にして帛(はく)を得ること有る所以の者は、蠶婦(さんぷ)の陰(ひそか)に之が為に織るを以てなり。天下の僥倖にして粟を得る有る所以の者は、農夫の陰に之が為に耕すを以てなり。如(も)し天下をして悉く耕織(かうしよく)を厭ひ、其機(…

真を求むれば

これまた、呂東萊、『東萊博議』にある。 「・・・天下の事、固(まこと)に外(ほか)似て中実(ちうじつ)は然らざる者有り、其(その)似(に)を幸(かう)として其名を竊(ぬす)むは、以て一時を欺くべからざるに非ざるも、然(しか)も他日人(ひと)…

本を棄て末に徇(したが)ひ

呂東萊、『東萊博議』にこうある。 「天下の情(じやう)、其(その)速(そく)を見ざれば、未(いま)だ其(その)遅(ち)を見る者は有らざるなり」 手っ取り早く、事がすみやかに進むのを見れば、我が身、遅遅として進まぬことを知る。 「賈區(かく)に…

偽り

偽り