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よろづ天道まかせで

泰きに居ても

二條教基のよく知られた一首に

君が世の泰きに居ても苦しきはあやふき民の心なりけり

がある。
じぶんは大君の御代のおかげで地位安泰であるが、心苦しいのは民の心のあやういのを思うからだと詠うわけだ。なにがあやうい民の心かといえば、嚮背反覆(こうはいはんぷく)というが、従ってみたり背いてみたりと常なき人心の信じがたさをいうのだろう。
南北朝の昔ならずとも、もしかしたらこの歌が身に染みている政治家先生もいるやに違いない。国会議員という安泰で恵まれた地位にまんまと付いてはみたが、それは場合によっては政治上のボスやマスコミのおかげなのかもしれないが、たとえば増税論議で我が身も削るといっておきながらポーズだけ。さぞや人心の嚮背反覆を感じているにちがいない。
こちら民としては選挙が待たれるところだ。選挙があれば、あやうき民の心を心苦しく思わなくてもすむように、民の一員に返してあげられるからだ。政治家の安泰を失って民の不安に身を置いてみるのもよいことだろう。