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よろづ天道まかせで

緩みなければ

「・・・然れとも巧者なる舟人といへ洪天の時を得ざれば時にあたつて過ちなき事あたはす是とても不巧者の者のする如くにハ至らす又心たゆますんは無事に元の湊(みなと)へこぎ付るにも至るへし・・・

ここで洪天というは広天の意だろう。そうした天の時を得ることがなければ、いかなる巧者といえども過ちを犯さないことはないということか。まあそうではあっても巧みならざる者のようにはならんと言っている。「心たゆますんは」とは心のゆるみがなければという意味であろうし、心弛緩させずおれば無事に港に帰り着けると。

しかし心に緩みなくを心がけるのが、悲しいかな、歳を重ねるごとに難しくなる。