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よろづ天道まかせで

道具

道具がないとなにかにつけて不便で能率がわるいものだ。

あらためて道具の意味を調べてみると、コロナ禍のなか生活しなくちゃならんし、地震もきたし、そんななか勉強になる。

道具の「道」とはなにかといえば、人生を送るこの我が身を全うすることだそうだ。そうして「道具とは道そなはると書なり」(上原無休、「五穀無尽蔵」巻下、天保四年)と。これが備わっていないと人生が全うできない、つまり食い物がそれで、「人に備りたる第一の物は米なり。然ば人の道具の第一番は米なりと知べし」と。食料がなくては生きていけないから当然。「身を全うするに食物なくば、何を以て其身を保んや」である。人が生きゆくにつき必要不可欠な物は人によりあれこれあるにしても、共通に、いちばんに必要な道具は米であると。これをなによりもまず備えておかなくてはならない。

カネが大事と思いがちだが、上原無休はこう言っていた。

「金銀を貯る心あらば、先食物を用意して、其上金銀を貯べきことなり。外の品は金銀を以て求ることあたわず共、一命にかゝる程のこと有まじ、食物は金銀を以て求得がたき時は、一命にかゝるなれば、此時に至ては金銀有てもいかんともしがたし。然ば先金銀を貯置家には、少々の食物用意すべきことなり、・・・」

なるほど。カネは溜まってないけれど、まずは少々の食い物だな、日々消費しても貯えの残りが有るようにして、補充しておくのも忘れぬよう、狭い家ではあるが、心がけていよう。