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よろづ天道まかせで

光明を丸つぶすな

今年はどのような年になるのか、昨年に引き続き、大きな変化と困難、苦難を経験していくのか、そんななかでも、資産の逃げ場、置き場にアタマ悩まし、株ぐらい手がけておくかという方はますます資産を増やしただろうし、反対に、コロナの直撃で廃業、失業、なかには自殺まで思いつめるにいたったケースも増えたと聞く。

年のはじめに、人を助け役立つ、なにはなくても、まずはカネという道具が、あれれ、そのカネがカタキの、「うらはら」、人を苦しめ難儀さす、カネの実際を心に留めておきたい。

古人、こう教えてくれていたな。今年、世間の闇路、暗からぬほどを願い、要路にある方々の経済、金融の政策のよろしきを期待して、読んでおきたい。

和田耕齋、『闇路の指南車上巻』、弘化三年、1846年からである。

「・・・、此(この)欲(よく)のやみが一ばんくらい所(ところ)じや、第(だい)一金銀(きんぎん)の功能(こうのう)が、うらはらになつたゆゑの事(こと)じや、爰(こゝ)をよくよく合点(がつてん)して貰(もら)はぬと、灯火(ともしび)がくさつて仕(し)まふ、金銀(きんぎん)の御名(おな)をたからとばかり唱(となへ)てみると、はやそろそろ分(わか)りかける、人(ひと)の難儀(なんぎ)を救(すく)ふ宝(たから)、世界(せかい)万事(ばんじ)通用(つうよう)の宝(たから)、日日(にちにち)世渡(よわたり)の目当(めあて)にする宝(たから)、米麦(こめむぎ)金銀銭(きんぎんぜに)の宝(たから)は、みな人(ひと)を助(たすけ)る為(ため)の宝(たから)なるに、相互(あひたがひ)に我内(わがうち)へ引(ひつ)ぱり込(こん)でなければ、間(ま)に合(あは)ぬといふ気(き)が離(はな)れぬゆゑ、めつたやたらに欲(ほ)しがり、人(ひと)の難儀(なんぎ)はそつちでせい、かつえ死(し)なふがまゝのかは、何(なん)でも角(か)でも引込(ひきこん)だらはなさぬ、まだ其上(そのうへ)に五穀(こく)諸色(しよしき)が高値(こうぢき)に成(なり)かけると、金銀(きんぎん)に任(まか)していよいよ買(かひ)しめ、世界(せかい)の困窮(こんきう)人(ひと)をほし殺(ころ)す所為(しわざ)すりや、金銀(きんぎん)以(もつ)多(おほく)の人(ひと)をくるしめるのじや、金銀(きんぎん)の光明(くわうみやう)を丸(まる)つぶすのじや、・・・」