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よろづ天道まかせで

直なる人は

「・・・今は世間無事なる故に、理屈(りくつ)専(もつぱら)にして人を愛せず、罪過(つみとが)を求め出し、理屈を以て穿鑿(せんさく)せば、直(すぐ)なる人は多くは侍らじ。世間さわがしく国家あやふき時は、用にも立つべき者をば、何事も見ゆるし、言葉をやはらげて頼むものなりと謂へり、・・・
(『集義和書』)

理屈からいえば悪い。その理屈を以てことこまかに穿鑿し、罪や咎を言い立て得る。誰でも穿鑿していけば、少しはやましいこともあるもの。世間を騒がす博奕なんてのもその口だ。悪いといえば悪い。しかし人間ってのはそういう偶然に賭けることをしたがるものだ。あまりに杓子定規は、人間を愛していないということだろう。そちらのほうが病んだ社会を感じさせる。