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よろづ天道まかせで

上に上があり升

「主義だの、道だのと云つて、只だ是れ計りだと、極めることは、私は極嫌ひです。道と云つても大道もあり、小道もあり、上に上があり升。其の一つを取つて、他を排斥すると云ふことは、不断から決して為ません。人が来て、色々八釜しく言ひ升と、『さう云ふこともあらうかナ』と言つて置いて、争はない。そしてあとでよくよく考へて、色々に比較して見ると、上に上があると思つて、実に愉快です。研究と云ふものは、死んで初めて止むもので、夫迄は、苦学です。一日でも止めると云ふことはありません。」
勝海舟、『海舟座談』、岩波文庫、p.172.)

人間、死ぬまで研究し続けなければならんのだなあ。なにかの主義に凝り固まればそこで終わりで、ラクかもしれないけれど、上には上があることを知っていく道行きなら、死ぬまで終わりはこないわけだ。そのプロセスは苦学かもしれないが、より上を知ることの愉快の一段一段かもしれない。