『海舟座談』に、二宮尊徳に触れている箇所があることを知る。メモしておきたいと思った。
「△二宮金次郎先生は、御承知でしたか。
一度会つたッけ。至つて正直な人でした。あのやうな時には、あゝ云ふ人がよく出るものです。何人か、人をやつたッけ。あゝ云ふ人に行つて聞けッテ。時勢で人が出来て、逆境が又よく人をこさへるというふことは、事実を私は確に見ました。」
(勝海舟、『海舟座談』、岩波文庫、p.177.)
海舟の眼力は一度で人を見抜いてしまうのだな。そして時勢が人物を作り、境遇がその人を作り上げていく。その実例に確かに、尊徳をみたと。ただいまの時勢、どのような人物を作っているのかなと、ふと考える。