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よろづ天道まかせで

省察斟酌シテ

履軒(りけん)先生曰、「十万石ノ国ニハ農三万家アルベシ。ソノ人数ハ十万人アルベシ。国君ヨリ大夫(たいふ)・士ソノ余工商ニ至ルマデ、浮食(ふしょく)スル人二万人アルベシ。十万人ノ民、五万ハ耕スベシ。五万ハ織(おる)ベシ。十万人ノ税ヲ以テ二万人ヲヤシナフ。衣食乏シキコトナカルベシ。コレヲ用ヒテ少ナケレバ増シ、多ケレバ減ズ。コレヲヨキホドニスルヲ政事(せいじ)トシ、経済ト云。ユヘニ生ズルモノハ多キヤウニシ、食フモノヲ減ジ、為(つく)ルモノヲ増シ、用ユルモノヲ少クス。コレヲ最一(さいいち)トスレバ、国用(こくよう)弁ジ万民安シ。シカルニ人ト器ハ年々増益(ぞうえき)スルモノナレバ、時々省察斟酌シテ変革減節ノ政アルヲ要トス。コレヲシラズシテ一定ノ法ヲ以テセントスレバ、ツイニ破ルニ至ル。ツヽシムベシ。・・・
(『夢の代』経済第六)

食う以上に作り働けば、養う者、養われる者を問わず衣食に困ることはないが、そうなると人口も経済の規模も大きくなるので、時々顧みて変革する政治が必要と。旧来の法を守ってばかりいては破滅に至るか。我がジャパン、「時々省察斟酌シテ変革減節ノ政」が足らんかったといえるかな。