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よろづ天道まかせで

石油

佐藤信淵『経済要録』中に引用したき文章あり、探すもみつからず(;_;)、そのときに印を付けておかんといかんな。仕方なく石油に関する部分を読む。ここで燃土とあるは天然アスファルトのことだそうだ。

兎に角頗る国益を増す石油の時代もそのうち終わるわけだ。

「且又此燃土のある近傍には、必ず土油を生ずる者なり、土油は漢名石腦油と称し、又地溲(ちしゅう)とも名く、和銅年中に越後国より燃る土及燃る水を献れりと云ふは即ち是なり、此油土中に凝結して石炭・乾漆・琥珀等に為ることは既に上に記載せり、総て土油は沼及池より沸出る者有り、或は泉の如くに湧出で、河水に浮流るもの有り、何れも大抵水に混合して涌出る者なれども、其性水より軽く且粘著する気あるを以て、自ら水上に浮ぶ者なり、故に石長生(はこねぐさ)か骨碎補葉(しのぶ)等にて苞(つと)の如き者を造り、此れを以て汲ときは、水は悉く漏泄(むぐり)して、油は残り留る者なり、然れども土油は其性稠粘(ちゅうねん)にして且悪臭有り、故に世人これを燃すことを嫌者多し、宜く法を用て此を清浄にすべし、若此を清浄にして用るときは、其燈光最鮮明にして、臭気亦薄し、是以て貧民の燈火に此油を用ひしむるときは、国益頗(すこぶる)大なり、・・・」(開物上篇七之巻土砂第十七)