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よろづ天道まかせで

カミ

神は漢字である。国語にてはカミ。
篤胤は『俗神道大意』でこう言う。

「漢字の神は、御国のカミと更に違(ちが)はぬ事もあれど、大かたは、謂(いは)ゆる虚字で、用(よう)の言に多く云ふて、御国の如く、実物の体言に云ふことは少いぞや。」

また『古道大意』にては、

「御国で加美(かみ)と申すは、キツト其実物(じつぶつ)をさしてのみ申て、紛(まぎら)はしいことはない。然るを唐(から)で神の字の用ひ様(さま)は、実物の加美(かみ)を指て申すばかりでなく、唯、其物を称(たゝへ)て霊異(れいい)と云ふやうな心ばへにも用て、譬(たと)へば神剣(しんけん)と云時(いふとき)は、あやしき剣と云ふこと、神亀(しんき)と云へば、あやしき亀といふことになる。」

したがって、不可思議に人に思われることを指す神という漢字は我が国のカミを指示するに充分ではないというわけだ。

人にそう思われるのではなく実物の体言として使われるカミが指すのはそれ自体が霊妙さを具備する存在でなければならないが、人知はこれを測り知ることはできず、またそうすべきではないとしている。

なるほどなあ。漢字から国語の意味を考えてしまうことには注意しておかんといかんなあ。