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よろづ天道まかせで

官治組織

下記の『農村自救論』中の一文を見るに、我が国の変わらぬ宿痾は官治組織と思わざるをえないか。

「凡(およ)そ国の組織は、養ふものと養はるゝものとの二つより成立(なりた)つて居る、大は文武百官より、吏員公人、都(すべ)て皆民衆より養はれ、小は老病幼弱都ての者、悉(ことごと)く其(その)壮健者に扶養されて居る。そこで養ふものと養はるゝものとの比例が、無理のない程度に整へば、天下泰平であるが官治組織ではいつも官僚が強力なる支配権力を持ち、其(その)平調(へうてう)を破る様になる。現今の日本も全くそれである、之を過去二十四五年の推移に顧みれば、世界に類例なき政費の増加を見、彼の恩給年金扶助料等は、全国の地租を充当しても、尚(な)ほ莫大なる不足を見るのである。それに社会的人心の変化に対し、諸種の官公立機関が出来る、随(したがつ)て月給生活者の増加は仲々(なかなか)減じ得べくも見えぬのである。彼(か)の大蔵当局の政費節減方策も、大(おほい)に諒とすべき点もあるが、現在の官治組織を其儘(そのまゝ)にして、大節減の目的を成就することは、寧(むし)ろ思ひも寄らぬことであろう。」
(『農村自数論』)