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よろづ天道まかせで

芝居

曲亭馬琴が『世帯評判記』跋文で

 つらつら古今を考ふるに、人間一生は一つの芝居なり。一年四季の続き狂言、元日の三番叟(注:正月の仕初め式のこと)より大三十日(注:おおみそか)の今日はこれぎりまで、修羅場あれば、愁嘆場あり、濡場あれば、道行きあり。九尺二間の本舞台、路地板の橋がゝり、楽屋の押入れ、土間靴抜ぎ、人間僅か五段続き、・・・

 と書いているが、これまで芝居といえるほど劇的な人生でもなかったなあ。 まあ、住まいは、江戸時代なら九尺二間の裏長屋の現代版みたいなところだけど、そんな本舞台で、嘆き悲しむことはあまりなかったから、よしとするか。