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よろづ天道まかせで

としのくれ

昨晩、震災・津波を回顧して、落命した方々の経緯をテレビが放送していた。忘れることのできない映像だった。
年の暮れ、被災地に帰郷している方も多いだろうが、古郷に戻った方々も、被災地で苦闘してきた方々も、肉親を失った人たちの場合、そのお気持ちはいかばかりかと思う。芭蕉の俳文にある言葉が浮かぶ。

「・・・師走の末伊陽(いやう)の山中に至る。猶(なお)父母のいまそかりせばと、慈愛のむかしも悲しく、おもふ事のミあまたありて、
 古郷や臍(ほぞ)の緒に泣(なく)としのくれ 」
(『芭蕉紀行文集』、岩波文庫、p.103.)