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よろづ天道まかせで

尊ぶべき宝とはなにか。山片蟠桃、『夢ノ代』を久しぶりに手に取る。

「古(いにし)ヘヨリ天下ニ米穀ヨリ宝トスルハナシ。然ルニ諸物ノアタヒ貴(たか)ク米価賤ケレバ、民ソノ宝タルヲシラズ、ウカウカト食シ、膾炙(かいしゃ:なますやあぶり肉をいう)肉羹(にくこう:肉入り汁物)ヲ増シテ、米ヲイヤシミ、肉ヲタツトビ、ツイニ金帛(きんぱく:黄金や絹をいい貨幣を意味する)ノミヲ宝トシテ、畜積スルコトモシラズ、米ノコボレタルヲモ蹈(ふみ)ニジリテ行ニ至ル」(山片蟠桃、『夢ノ代』、「経済第六」)

最近のひとには貨幣のみが宝となっているか。

もう長らく時代は商品貨幣の時代ではない。マネーはコモディティではなくなった。そこであらためて問題がふたつ発生する。一方で信用マネー、他方でコモディティによってなにを理解するか、だ。